洒落怖超まとめ

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戦利品

   

669本当にあった怖い名無し sage 2011/09/24(土) 14:35:03.15 ID:bt7BnjRy0

やること無いから暇つぶしとしてカキコ。
昔っから廃墟巡りを趣味としているんだが、いつだったか廃村を巡ってた時のおはなし。


ある日、廃墟巡りでもして生気を養おうということで、友人と一緒にカストリ誌に載っていた、曰くつきの廃村へ行くことになった。
曰くつきと言っても、『子供が次々行方不明になった』だの、当時のエログロホラーの風潮に乗っかった噂程度のもので、俺も友人もまともに信じてはいなかった。
それでも不気味なものは変わりなく、崩れた土壁や、残された家財道具やらを見て、ウヒヒヒと奇声をあげては楽しんでいた。

村全体をうろついて暫く立った頃、何やらの施設のような所に出た。
外門には、ひまわり(たんぽぽだったかも)なんとか園と書かれており、敷地内には遊具やら砂場やらが見て取れた。
壁には当時の子供のものらしき落書きがあり、どうやらそこは保育園か育児所かの跡地らしかった。
幸い(?)にして窓は割れて壊れており、ただの探索に飽きが来ていた俺たちは、中へ侵入してみることにした。

中は思った通り荒れ放題で、毛布やら玩具やらがそこかしこに散らばっていた。
最初に入った部屋では、最後に送別会か何かをしたらしく、折り紙の飾り付けやらが天井や壁に鏤められていた。
随分と風化してボロボロだったが、「たーくん(うろ覚え。適当です)さよなら」と千切り絵で書かれた飾り付けもあるし、多分お別れ会で合ってると思う。

その後、他の部屋やらを見て回って、その時に気が付いたんだが、やたら鍵のかかったものが多い。
ロッカーやら引き出しやらには必ずと言っていいほど鍵がかかっていた。
そこで今度は二人して、鍵を探すことになった。
泥棒じみていて良くない事は分かっていたが、床の落ち物や壁に凭れかかった板などを、蹴っては退けてを繰り返した。

670本当にあった怖い名無し sage 2011/09/24(土) 14:35:59.26 ID:bt7BnjRy0

暫く探索を繰り返し、食堂だか集会場だか、他に比べてかなり広い部屋を探してた時。
そこには外へと続く扉があり、その扉は厳重にチェーンと南京錠で封印されていた。
ところが肝心の扉がスライドから外れており、軽く押しただけで簡単に外に出られる隙間が出来た。

そこから外に出ると、ちょうどそこは施設の裏側にあたり、落ち窪んだ小さな渓谷のようになっている。
その周りは背の高い欄干で囲まれており、どうやらこの扉を使うしかそこに出られない様になっていたみたいだった。
これは何かあるに違いない、と喜び勇んで探索を開始したが、焼却炉と物置小屋があるだけで特に大きな発見は無かった。
少々がっかりしつつも、再び施設内に戻ろうとした時、ふとある事に気がついた。

先ほど探索したお別れ会のあった部屋。そこの部屋あたりに不自然な出っ張りが見えたのだ。
そんな空間あったっけ? と思い立ち、もう一度その部屋を探索してみることにした。

不自然な出っ張りがあったのは、正確にはその部屋の向こう側にある部屋だった。
その場所を調べてみると、どうやら押し入れみたいで、布団や毛布がぎゅうぎゅうに詰まっていた。
なんだ、それだけか。と踵を返して出て行こうとしたその時、毛布の向こう側に空間があるのを発見した。
汚れた布団にはあまり触りたくなかったが、好奇心が勝り、布団を何とか引っ張り出してその空間へと足を運んでみた。
そこは4畳ほどの青いタイル張りの空間、的確に言うならバスタブの無い風呂場のような場所だった。

671本当にあった怖い名無し sage 2011/09/24(土) 14:36:39.50 ID:bt7BnjRy0


あるのは蛇口と排水溝、後は照明の配線跡くらいだった。
それだけなら、園児達の粗相を洗濯する所と思えたのだが、赤黒い染みや塊、髪の毛っぽい黒髪などが排水溝周りや壁にこびり付いていた。
それを見て、これってヤバクね? と流石に思い、友人にこの事を知らせようと、慌ててその場所を飛び出した。

友人は職員の部屋におり、ロッカーの一部を無理やり抉じ開けたて何かを見つけたのか、俺を認めると真っ先に声をかけてきた。
友人が「ホラ、これ見ろよ。すっげぇぜ」とヘラヘラしながら手につかんだものは、同じく赤黒い汚れで覆われたペンチやら錐やらの工具でした。
依然友人はヘラヘラしながら「これ赤錆かな。血みてーだな」とか、「殺人事件があったりしてな」とかほざいていたが、とても笑えなかった。
その後友人に事情を説明し、例の部屋を見せてから慌ててその廃村を後にした。

その後、きちんと警察に連絡をしたのだが、何の連絡も進展も無い。
人里離れていた事や、突拍子の無い事でイタズラと判断されたのだろうか。
もしかしたら、薄暗い中での見間違いだったのかもしれないが、今では知る術はないので、こんな形でカキコ。
ちなみに友人談では、ロッカーは2,3個抉じ開けたらしいが、例の工具以外ではエッチな雑誌と鉄の輪っかみたいなのしかなかったらしい。

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