洒落怖超まとめ

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暗闇の中で

   

772本当にあった怖い名無し sage 2008/08/22(金) 23:05:31 ID:xaCTEU850

ある夏の夜。夏祭りのときに、夜の小学校の校舎の外で友達13人と鬼ごっこをして遊ぶことになった。
鬼ごっこのルールは、はじめジャンケンで鬼を一人決めて、鬼がタッチしたらそのタッチされた人も鬼となり、だんだん増えていく形式の鬼ごっこ。
で、ジャンケンした結果、A君(佐藤さん)が最初の鬼になった。
鬼は10秒数えて、他の子はその間に逃げる。逃げる範囲は学校の敷地内だったらどこでもいい。
そして、鬼だけは懐中電灯を持ってもいい。
そして、鬼ごっこは開始された。

775本当にあった怖い名無し sage 2008/08/22(金) 23:32:42 ID:xaCTEU850

制限時間は30分。っで、だいたい開始されたのが10時30分くらい。11時になったら一応最初の地点に集まり終了って形にしてた。

っで、やはり夜の校舎は薄気味悪く二人ペアで逃げる人が多い。
5分もたってないうちに、走る音、笑い声、そして捕まえた!という声。
でも、逃げる時はやはり必死でペアを組んでいても逃げるときは別々となり片方が捕まり、片方は逃げ去っていく。
途中で、鬼から逃げて、一人になったD君(砂糖さん)は仕方なく体育館近くのくっさいトイレの3室あるうちの一番奥の一室に逃げ込んだ。
そのトイレは、入り口だけが蛍光灯付いていて、室内の電気はこわれているせいか暗い。
誰々どこ~?おーい!?という声がちょくちょく聞こえるがD君は見つかるかもしれないというドキドキ感と、怖い!!という2つの思いを感じたまま息を潜め隠れ続けた。
だいたい25分たった頃だろうか、友達の声がパタリとやむ。
(ん?もうそろそろかな。怖いし、もう出ようかな…)
そう思った矢先に、外から地面を踏む足音が聞こえてきた。
(あ、誰だろ…ってか、見つかっちゃうかもな。まぁいいか)
D君はそう思いながらも、一応息を潜めた。
そして、トイレ入り口でピタッと足音が止む。
そこでふとD君は気付く。
(あれ?鬼は懐中電灯持ってもよかったんだよな?でも、室内明るくなんねぇし。付けてないのかなぁ)

781本当にあった怖い名無し sage 2008/08/23(土) 00:05:24 ID:xaCTEU850

そう思った矢先。

カチ と音ともに一気に室内が暗くなる。
(…え。ちょ、何電気消してんだよ!誰だよ!めっちゃ怖い。まじ怖い)
キュイキュイと蛇口を捻る音が聞こえ、水がジャーと流れ出す。
(ほんと誰だよ!?何かしゃべれよ!)
ふぅ!ふぅ!ふぅ!という息遣いとともに小さく声が聞こえた
「…よかったのに」
D君はここで一気に凍りつく。鬼ごっこしているやつらは男だけ…そして聞こえてきたのは、女のかすれ声であった。
その擦れ声は次第に大きくなる
「死ねばよかったのに…死ねばよかったのに…死ね…死ね!死ね!!」
最後は叫び声とともに、バン!!!と一室の扉が激しく叩かれた。
「つぁっ!」
小さく悲鳴を出してしまったD君。
その瞬間、一気にトイレの中が静まり帰る。
カツカツ…足音が近づく。
バン! 真ん中の扉が勢いよく開かれる音。
また足音。
(来るな!来るな!)
そして、止まる。
バン!!!!!
D君のいる扉が激しく叩かれる。
D君は必死に扉を中から押す。
(助けて!助けて!)
バン!バン!と激しく扉にぶつかる音が何度か続いたが、ピタっと止まる。

786本当にあった怖い名無し sage 2008/08/23(土) 02:01:55 ID:+nx030XW0

擦れた女の声が扉一枚の先から聞こえる
「 誰か いる  の ? 」
D君は答えない。
ガタ!
目の前の扉がゆれる。
ガタガタ!
D君は扉の上を見た。
十本の指。そして真っ白の手首。
それは…扉を這い上がろうとしていた。

そんなとき、外からA君を含めた数人の声が。
「おーい!みんなどこ?もう、終わろう」
聞こえたと同時に、扉の上を掴んでいた女の手がすっと放される。
D君は魂の底から叫んだ。
「トイレっ!!!早く来てっっ!体育館トイレ!!早くっっ!!」
そして、外から声が帰ってくる
「D!?トイレとか…ずっといたのかよw」
あはは、と友達たちの笑い声。
D君はそのときほど、友達の声で安心できた日はなかった。
友達の足音がすぐそこまで迫ってきている。
(もう、助かった…)
ふと、A君の声
「あれ、お前なんでそんなコート着てるの?」
(…は?)
B君の声
「って、この人…違う!」
C君
「ちょ…逃げ!逃げろ!!!!!」
うわぁーー!という数人の叫び声とともに一気に幾つ物足音が遠ざかっていく。

787本当にあった怖い名無し sage 2008/08/23(土) 02:30:39 ID:+nx030XW0

D君はそっと扉を開け、トイレ内をのぞく。
・・・誰もいない。
そして、意を決して走った!
トイレから飛び出て、校庭の方へ走る。
そして、辺りが見渡せる場所で止まる。
(…いない。もしかして、友達のほうに行った?)
その時、校舎のほうからA君がD君の方に向かって走ってきた。
A君が叫ぶ。
「助けて…助けて!!」
ほんのしばらくすると、A君の後ろを追うように全身真っ黒な服装をした何かが目に入った。
顔は黒く長い前髪に隠れて見えない。しかし、手には、何か包丁のような刃物を持っているのはすぐに分かった。
(やばいっ!!!!)
D君はA君を待たずに反対の方向へ走り出す。

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