枕元に立つもの
663 息1 sage 05/01/30 03:56:20 ID:J98TDAVr0
高校2年の秋ぐらい。
その日は何だか凄く嫌な(怖い)感じでずっとゾクゾクしてて、この歳にもなって恥ずかしいなどと思いつつも、父と母の寝室の座敷に、母と一緒に寝た。(俺が玄関側で母、父と川の字
。ちなみに父は仕事が遅くなりまだ帰ってきていない)
664 息2 sage 05/01/30 04:00:06 ID:J98TDAVr0
ここでちょっと家の造りを説明します。
うちはかなり古い家で、東西に長方形で、南の真ん中に玄関、
玄関を入ると直ぐに居間。居間を中心に左手に祖母の部屋と2階への階段、奥に台所、右手に座敷が4つ田の字に並んでいます。
その座敷の、一番南西側に仏壇、北西側は物置、南東側は使っておらず、北東側が、父と母の寝室です。
北西側の物置以外は、全部襖で仕切ってあります。
大体こんな感じ
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|祖部| |
|母屋|階|風
|の |段|呂
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玄|居 |台
関|間 |所
ーーー-
|座敷|座敷
ーー+ーー
|座敷|座敷
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↑
ここに寝た
665 息3 sage 05/01/30 04:01:24 ID:J98TDAVr0
その日は少し暑く襖は全部開けて寝た。
布団に入って10分程、寝つきの早い母のイビキがきこえる。
俺は寝てるか起きてるかぐらいの境のところでウトウトしていた。
ふと、玄関が開いた音がきこえた気がした。
父が帰ってきたのだと思った。
足音が聞こえる。玄関からこちらに向かって歩いてくる、畳を踏む音。
足音がなぜか俺の枕元で止まった。
親父何してるのかなぁ?と思ったがかまわず眠りに着こうとした。
何か聞こえる。
人の息づかいだ。
硬直した。父はこんなことするような人間じゃない。
風の音かも思ったが、人が息をするとき独特の音がする。
やっぱり人が・・・
じゃぁ誰なんだ?
泥棒か?
いや、泥棒ならこんなことはしない。
それならやっぱり・・・
俺は微動だにできなくなった。呼吸のたびに胸が上下するのすらしてはいけないことのような気がしてならない。
嫌な汗が出てきて、布団の中が湿っぽくなっていくのがわかる。
667 息4 sage 05/01/30 04:05:52 ID:J98TDAVr0
たぶん、こっちを覗き込むようにしたのだと思う。
何者かの呼吸音が、さっきより大きく聞こえた。
動くことはできない。
声も出せない。
目も開けられない。
どうしたらいいかわからず混乱していると、今度は車が近づいてくる音がきこえた。
「親父が帰ってきた!」心の中で叫んだ。
父の帰宅をこんなにも喜んだのは何年ぶりだろう。
気がつくと、何者かの呼吸音は消えていた。
親父が帰って直ぐに起き出し、さっきの事を話した。
「夢だろアホタレ」と笑われた。
でも、あれは決して夢ではないと思う。何の根拠も無いけど・・・。
ただ、その日から、その座敷で寝るとかなりの確率で金縛りにあうようになった