ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 31-40 > Part 37 > 水の音 2016/04/28 504 名前:ウニ 投稿日:03/05/13 02:27 だれか呼んだ? 小ネタでも話すべぇか。 大学1年の夏の始めごろ、当時俺の部屋にはクーラーはおろか扇風機もなくて 毎日が地獄だった。 そんな熱帯夜にある日電話が掛かった来た。 夜中の一時くらいで、誰だこんな時間に! と切れ気味で電話に出た。 すると電話口からはゴボゴボゴボ・・・という水のような音がする。 水の中で無理やりしゃべっているような感じだ。 混線かなにかで声が変になっているのかと思ったが、喋っているにしては間が 開きすぎているような気がする。 活字にしにくいが、あえて書くなら、 ゴボゴボ・・・ゴボ・・・シュー・・・・ゴボ・・・・シュー・・・シュー・・・ゴボ・・・・ゴボリ・・・ いつもならゾーっするところだが、その時は暑さでイライラしていて頭から湯気が出 ていたので 「うるせーな。誰じゃいコラ」と言ってしまった。 それでも電話は続き、ゴボゴボと気泡のような音が定期的に聞こえた。 俺も意地になって、「だれだだれだだれだだれだ」と繰り返していたが 10分ぐらい立っても一向に切れる気配がないので、いいかげん馬鹿らしくなって こっちからぶち切った。 505 名前:続き 投稿日:03/05/13 02:28 それから3ヶ月くらいたって、そんなことをすっかり忘れていたころに留守電に あのゴボゴボゴボという音が入っていた。 録音時間いっぱいにゴボ・・・ゴボ・・・・シュー・・・・ゴボ・・・・ 気味が悪かったので消そうかと思ったが、なんとなく友人たちの意見を聞きたくて 残していた。 それで3日くらいしてサークルの先輩が遊びに来ると言うので、そのゴボゴボ以外 の留守録を全部消して待っていた。 先輩は入ってくるなり、「スマン、このコーヒー飲んで」 自販機の缶コーヒーを買ってくるつもりが、なぜか『あったか~い』の方を間違えて 買ってしまったらしい。まだ九月で残暑もきついころだ。 しかし例の留守電を聞かせると、先輩はホットコーヒーを握り締めてフーフー言いな がら飲みはじめた。 先輩は異様に霊感が強く、俺が師匠と仰ぐ人なのだがその人がガタガタ震えている。 「もう一回まわしましょうか?」 と俺が電話に近づこうとすると「やめろ!」とすごまれた。 「これ、水の音に聞こえるのか?」 青い顔をしてそう聞かれた。 「え? 何か聞こえるんですか?」 「生霊だ。まとも聞いてると寿命縮むよ」 506 名前:ラスト 投稿日:03/05/13 02:28 「今も来てる。首が」 俺には心当たりがあった。当時俺はある女性からストーキングまがいのことをされていて 相手にしないでいるとよく睡眠薬を飲んで死ぬ、みたいなこを言われていた。 「顔が見えるんですか?女じゃないですか?」 「そう。でも顔だけじゃない、首も。窓から首が伸びてる」 俺はぞっとした。 生霊は寝ている間本人も知らない内に首がのびて、愛憎募る相手の元へやってくると 聞いたことがあった。 「な、なんとかしてください」 俺が泣きつくと先輩は逃げ出しそうな引き腰でそわそわしながら 「とにかくあの電話は掛かってきてももう絶対に聞くな。本人が起きてる時にちゃんと話 しあうしかない」 そこまで言って天井あたりを見あげ、目を見張った。 「しかもただの眠りじゃない。これは・・・へたしたらこのまま死ぬぞ。見ろよ、首が ちぎれそうだ」 俺には見えない。 引きとめたが先輩は帰ってしまったので、俺は泣く泣くストーキング女の家に向った。 以降のことはオカルトから逸脱するし、話したくないので割愛するが、結局俺は それから丸二年ほどその女につきまとわれた。 正直ゴボゴボ電話より、睡眠薬自殺未遂の実況中継された時の電話ほうが怖かった。 B! LINEへ送る - Part 37, 洒落怖