洒落怖超まとめ

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343グースカ 2011/02/21(月) 02:22:57.71 ID:VMH9WjG00

師匠シリーズとかあるし、批判ありそうだけど、まぁ、体験したことだし投下します。

 昔からオカルトが好きで、ネットサーフィンしながら読み漁っていた。
だからといって、霊体験が数多くあるほど霊感はたぶんない。
これまで経験してきた体験だって勘違いなんじゃないかってレベル。
霊感持ってる奴だって周りにいなかったし
基本怖がりだから心霊スポットも行きたくないしね。
でもなんかオカルトって楽しいじゃん?そんなもんだった。

高校三年の夏。あるA大学に体験入学しに行った。
いくつも校舎を持っている学校で僕が行ったのは少し山の中にある所。
行きたかった学科がマイナーなせいか少し都会から外れた所に作られていた。

行ったことある人は分かると思うけど、体験入学ってつまらないもんで
授業の体験だとか、サークルの紹介だとかそんなんを講義形式で受けて
先輩が出てきてワイワイとやって終わり。

一応オカルト好きだから、そんなサークルがあるかと期待したが全くなかった。
同好会ならありそうだが、紹介されたサークルにはなかったし、手を上げて
「オカルト系のサークルないですか?」なんて頭のおかしいことは聞けなかった。

345グースカ 2011/02/21(月) 02:24:28.57 ID:VMH9WjG00

つまんねぇなぁと思いながら、校舎見学で自由に行動しても良いということで
適当にプラプラ歩いた。校舎外を見て周るために外に出た。
校舎は森林に囲まれていて、校内にススキやら桜やらいろいろと植えられていた。
坂も多いし、この学校はなしかなと思い始めた頃、不思議なものを見た。
いや、見たというか感じたというか、今まで経験したことない感覚だった。

目の前が歪んでいる。目の前にある桜の並木道の一部歪んでいて
連なった桜の木の中の2本の中心辺りがぼやけている。
夏だったし、気温はかなり高めだったから、蜃気楼かと思った。
夏のアスファルトでよく観る光景だ。しかし、あれは違う。
周りははっきり見えているのに、そこだけぼやけている。
並木道を数人歩いていたし、僕の横を通り過ぎる人がいたが
気付いていないのだろうか。
これは暑さで僕の頭がやられただけなのかな??

346グースカ 2011/02/21(月) 02:25:50.39 ID:VMH9WjG00

そう思って、若干ビクつきながら歩みを始めてすぐに、さらに変な光景を見た。

蜃気楼らしきものから5,6本先の桜の木の横で
蜃気楼らしき方角を見てニヤニヤ笑っている男がいる。
白シャツとジーパンにクロックスとシンプルな服装で、桜の木にもたれかかっている。
この人はヤバイ!そう脳が一瞬で判断した。
蜃気楼のことも忘れて、振り返り来た道を戻り始めた。後ろは振り返らない。
こっちを見てニヤニヤしていそうだから。僕は早足で校舎に帰った。

学食で食事をして帰ろうと思った。大学に一人や二人変な人がいてもおかしくはないな。
あの人がその一人に間違いない。
夏なのに長袖を着ていたし、立ち止まって蜃気楼らしきものを見つめているなんて
おかし過ぎる。

347グースカ 2011/02/21(月) 02:27:51.54 ID:VMH9WjG00

っていうかあれはなんだったんだろう。カツ丼定食350円を食べながら考察してみた。
結果分からん。あの時は怖さを感じてすぐにそれ以上の物を見てしまったけど
もしかして自分最大の心霊体験だったのではないだろうか。
そう思うとなんだか嬉しくなった。
嬉しくなる時点でかなり変態だと気付いたのはもう少し先になる。

「いいもん見たよな。」

声がしたから、がっついていたカツ丼から声の方に目を向ける。
(!!?)
人生最大の心霊現象をすぐさま忘れさせた男がおぼんを持って目の前に座った。
カツ丼定食だった。
男は僕の心境を無視して続けた。顔にも出ていたはずだが・・・

「ああいうのはたまにある。」

そういうとサブメニューの味噌汁をすすった。

348グースカ 2011/02/21(月) 02:29:05.45 ID:VMH9WjG00

「驚いた顔してんのか。怖がってんのか、どういう顔だそれは。」
と今度はカツ丼に手を出す。男はさらに続ける。
「人の視覚っていうのは脳の後頭葉って場所で認識してる。
レンズに光が通されて、視神経を介し知覚される。
でもその情報が誤っているとしたらどうなる?見えているけど見ようとしない。
見えているけど見させてもらえない。
人は視覚されたことが全て真実だと思っている。」


この人は何を言っているんだ。
でも確かに見ている物が嘘だなんて考えたこともなかった。
鏡に映った僕は僕だし、写真に写った僕は僕だ。
しかし、それが真実なのか確かめるすべはない。というか誰も証明出来やしないんだ。
無意識に信じているからこそ、現実にあるものだと認識することが出来る。
いやいや、何を言っているんだ。僕は僕だし。それ以上でも以下でもない。

「このカツ丼は本当にこの形状をしているのか。色はこれで正しいのか?
それを断言することは出来ないだろ。あれはそれと一緒だ。」

どういうことか全然分からない。

349グースカ 2011/02/21(月) 02:30:47.45 ID:VMH9WjG00

「黙りこくってるな。お前体験で来たんだな。
あれが見えるってことはそれなりにいいな。お前この大学に来いよ。」
蜃気楼を見ていた時と同じニヤニヤ、いやニタニタ顔で言う。

体験で来たというのは制服を着ているからバレバレだ。
残りわずかなカツ丼を平らげ、「失礼します!」と一目散に逃げ出した。

こんな大学行くわけない。危険過ぎる!
でも普通の人とは違う物の見方をしている危険人物だった。
こんな変態もいるんだと勉強させてもらった。

その後、親の命令で滑り止めとして受けたその大学に
無理矢理入学させられたのは、次の年の春の話だ。

長文失礼。お付き合い頂きありがとうございました。

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