ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 1-10 > Part 6 > すれ違い 2016/03/20 200 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/07/06(金) 18:52 全く洒落にならん話ですが、今の世の中、こんな話何処にでもあるんじゃないのか?という話です。 あるところに、2階を学生、1階を中年プログラマーが借りている貸家があった。 だが、この2人は、これまでに一度も顔を合わせた事がない。 先に借りていたのは2階の学生だったが、中年プログラマーが下見に来た時は、 学生は帰省しており、引越しの時もまだ帰っていなかった。 そして、ようやく帰ってきたときには中年プログラマーは、 仕事が追い込みの時で、なかなか家に帰れなかった。 そして学生が学校へ行っている間に、中年プログラマーは起床し、 学生が眠りについた頃、中年プログラマーが帰宅するという、 見事なまでのすれ違いを繰り返し、2週間が過ぎた。 中年プログラマーのほうは、このままではまずいと思い、 なんとか学生に挨拶して近づいておこうと思い、 珍しく早く仕事を切り上げられた日に、菓子折りを買って帰ってきた。 2階に明かりがついていて、学生がいる事を確認すると、 階段越しに、「すいません、1階の○○ですが・・・」と声をかけたが返答なし。 2階へ上がって行こうかとも考えたが、向こうは勉強の最中かもしれないし、 その内、トイレや風呂のある1階に降りてくるに違いない。 その時に偶然を装って出くわして挨拶しようと思い、自分の部屋に入った。 しかし、確かに2階から物音が聞こえ、学生のいる気配はするのだが、 その日はついに1階に降りて来なかった。 もしかして自分は避けられているのではないかと中年プログラマーは思った。 そして、その後もすれ違いは続き、中年プログラマーは自分が完全に避けられている事を自覚した。 201 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/07/06(金) 18:53 そんなある日、家の何処からか悪臭が漂い始めた。 1階のあちこちを調べたが、悪臭の原因となるものは見当たらず、悪臭は数日経っても漂い続けた。 「もしや2階で学生が・・・」と一瞬思ったものの、 その前の晩も2階から物音がした事を思い出し、そんなわけは無いと一蹴した。 それでも、臭いが気になるので、学生がいない時を見計らって、 徹底的に調べたところ、天井裏にネズミの死骸が転がっているのが分かった。 それから数日後、今度は不動産屋が何処かへ失踪している事が判明した。 警察が中年プログラマーの会社まで訪れて、話を聞きに来た。 中年プログラマーは不動産屋がいなくなった事すら何も知らなかった為、 警察にはそのように答えたが、このまま放っておくわけにはいかず、 その日はさっさと仕事を切り上げると、家の2階へ上がり、ドアをノックした。 「○○さん、いるんでしょう?」 だが、何の返事もなく、物音もしない。 ドアノブを掴んだが、鍵がかかっている。 その後もノックを続けたが、返答は無い。 ドアを蹴破るわけにもいかず、仕方なく1階へ戻った。 翌日、中年プログラマーが警察へ駆け込み、これまでの事を全て話すと、 警察は、不動産屋が見つかったといい、 飲み屋で知り合った女と意気投合し、誰にも告げずに旅行へ行っていたのだと言う。 そして不動産屋は中年プログラマーの会社へ電話を入れ、迷惑をかけた事を詫びた。 だが、中年プログラマーが一番驚いたのは、2階の学生がつい先ほど引っ越して行ったという事だった。 なんでもその学生が言うには、 1階の住人が引っ越してきてから一度も姿を見せず、生きているのか死んでいるのかも分からない。 そしてなにやら悪臭がしてくる。 そして不動産屋は何処かへ消える。 いい加減怖くなってきたところへ2階へ誰かが上がってきて、 ドアを激しく叩きまくる。 もう恐ろしくて布団の中でガタガタ震えていたんだそうだ。 その学生いわく、「1階の人って本当にいるんですよね?幽霊じゃないですよね?」 B! LINEへ送る - Part 6, 洒落怖