ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 14 > 布団 2016/03/31 362 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/06/09 13:55 布団 私は子供の頃から、綿布団で寝ていました。 しかし、家が火事になった時、私の布団も燃えてしまったのです。 新しく買った羽毛布団は、寝心地が良くありません。 私がズッシリとした重みのある、綿布団に慣れていたからです。 ある日、私は会社の同僚に、笑い話としてそのことを話しました。 「私は綿布団の重さに慣れているので、羽毛布団を使うようになってからも、布団の上に座布団を乗せて寝ているよ」と。 するとその同僚が、「家に、もう使う事がない綿布団があるので、差し上げますよ」と言います。 私は「同僚の顔も立てたいし」と思い、喜びながら綿布団を貰いました。 その夜、私はさっそく貰った綿布団を敷いて、寝る事にしたのです。 最初は「久しぶりの綿布団は、気持ちがいいな」と思っていました。 でも、私がウトウトしている時、妙に布団が重く感じるのです。 私が、「妙な気配がするな・・・」と思った矢先でした。 突然に私の体が、金縛りで動かなくなってしまったのです。 私は驚き、恐怖のあまり目を開けようとしました。 すると、私の耳元で「目を開けるな」と、誰かが囁いたのです。 「目を開けると危険だと、誰かが教えてくれているのか?」 私は「目を開けるな」という声を、そう判断しました。 だから、私は瞼を固く閉じ、必死に息苦しさと恐怖に堪えていたのです。 しかし、しだいに息が出来なくなってきました。 「もう堪えられない!」 私はそう思い、無我夢中で体中に力を込め、目を開けたのです。 すると私の眼前に、白髪で無表情な老婆の顔がありました。 驚いた私は、すぐに老婆を払いのけようとしたのです。 でも、体がまだ、完全に動きません。 それでも私は、「何とか、追い払わなくては・・・」と思い、必死に「出て行け」と叫び続けました。 すると老婆は、静かに喋り出したのです。 「もう少しだったのに」 「寂しかったんだよ」 「今でも・・・」 そして老婆は、そのまま消えていきました。 B! LINEへ送る - Part 14, 洒落怖