ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 1-10 > Part 6 > 親友との別れ 2016/03/20 358 名前:POOF 投稿日:2001/07/11(水) 03:49 友人から聞いた話です。 友人(以下K太とします)が高校一年の頃、 クラスに好きな女の子が出来たそうです。 しかし、間の悪い事にK太の親友Tも彼女を好きになり、 所謂三角関係というものが、繰り広げられたそうです。 といっても、それは「彼女がどっちを選んでも恨みっこ無しな!」と いう、割と爽やかなものだったそうで、側から見るとそれは、 当時流行っていた“ドリカム状態”とでも言うべきものだったらしいです。 そんな膠着状態(ワラ のまま、季節は夏に突入しました。 その頃K太は、バイト先の一つ上の女の子と仲良くなり、 付き合う事になりました。そしてTや彼女(同級生の方)と四人で Wデートの様に海や遊園地に行ったりする様になりました。 そこでK太とK太の彼女は、Tと彼女をくっ付けようという事になり 元々K太をやや差し置いて意識し合っていた二人は めでたく付き合う事になりました。Tは照れながらもK太に何度も 礼を言ったらしいです。そして本当の意味でのWデートの一発目は 秩父だか何処かその辺りでの(ゴメンナサイ。一寸失念)バーベキュー だったそうです。Tは幸せペナルティーとして(ワラ 一番重い荷物を 持たされましたが、(全員高校生なので、電車で行ったそうです) 終始笑顔を絶やさず、彼女も嬉しそうで、とても楽しい一日だったそうです。 しかし四人のWデートはこの日が最初で最後となりました。 359 名前:POOF 投稿日:2001/07/11(水) 03:50 Tが電車にはねられ亡くなったのです。 彼等の高校のあった街は、JRと私鉄が同じ駅を共有していて線路が 何本もあり、しかも回送の電車とかが駅付近の踏切に止まっていたりして 見通しも悪く、一度踏切が降りるとなかなか開かないんです。 Tはその日部活で学校へ向かったんですが、おそらく踏切でつかまり、 急いでいたので踏切を乗り越えて渡ろうとし、死角から来た電車に はねられたのだろうとの事でした。K太は呆然としてとにかくTの彼女に 電話したそうです。でも泣きじゃくる彼女にかける言葉も無く、K太に したところで親友を亡くした訳で、まだ高校生だったK太に他人の事 まで思いやれる余裕も無く、それからお通夜の日までTの彼女には 連絡しなかったそうです。 お通夜の日・・・まだ夏休みだったのですが、クラスのほとんどが出席し 先生達も駆けつけ、涙の中執り行なわれたそうです。 もちろんK太も出席しました。Tの彼女はもう泣いては居ず、ただ ぼ~っと座っていたそうです。 「無理も無いか・・・付き合い始めたばっかりの一番楽しい時期だったもんな・・・。」 とK太は思い、ただ黙って彼女のところに行き、隣に座りました。 彼女はチラッとK太を見て、それから肩が震え出しました。 K太は黙って肩を抱いてあげるのが精一杯だったそうです。 360 名前:POOF 投稿日:2001/07/11(水) 03:51 やがて献花の時間がやってきて、友達や先生が次々に立ち上がり、白い花を 棺の中のTに手向け始めました。K太も彼女を支えながら献花の列に 並びました。そして、彼女の番が来て彼女はTの棺に花と手紙を入れ、 じっと顔を見つめ、席に戻りました。次はK太の番です。 Tは電車事故で死んだ為、K太はある程度の覚悟はして、Tと対面しました。 しかし、電車が駅に入る為速度を落としていたからか、Tはバラバラに ならず、五体満足?で横たわっていました。顔も傷は無くきれいでした。 そう、そこにいるのは生前と変わらぬTに思えたそうです。それを見てK太は 急に涙が溢れてきて止まらなくなったそうです。 「T・・・!」 「T・・・!」 「彼女や俺を残して死にやがって・・・!」 「返事しろよ・・・!」 「オマエ、まるで生きてるみたいなのに・・・!」 ・・・・ ・・・・ ・・・・ん? 生きてる・・・みたい・・・? K太ははっと気付いてTの顔を見ました。 361 名前:POOF 投稿日:2001/07/11(水) 03:52 そうです。いままで興奮して気付かなかったけれど、 目が開いてる・・・!Tの目が開いてるのです。 そして、K太をじっと見詰めているのです。 といっても生き返った訳ではなく、ただTの目が開き、焦点がピタリと K太に合っているのです。 不思議に思いながらも後が並んでるので、K太は棺を後にしました。 K太は実はお通夜や葬式に出た事が無かった為、そういうものなのか、と 一瞬思いかけたそうですが、流石におかしいと思い、Tの彼女に聞くのも 憚られるので、献花の終わった友達をつかまえて聞いてみたそうです。 「あのさ、T、目開けてたけどなんでだろうな?」 すると友達は怪訝な顔で言ったそうです。 「お前何言ってんだ?目なんか開いてね‐よ!」 「いや、だって現に開いてたぜ?」 「閉じてたって!」 するとこの話を聞いていた他の友達が言いました。 「Tは電車の事故で死んだろ?それって変死扱いになるから司法解剖 しなきゃいけないんだよ。それで終わると体の穴には詰め物をして そして・・・目と口は縫い付けるんだよ・・・。だから・・・」 何時の間にか献花は終わっていましたが、K太はダッシュで棺まで戻り、 もう一度だけ、とお願いしてTの顔を見せてもらったそうです。 そこには、鼻と耳に白い詰め物をし、口と目を黒い糸で縫い合わせたTが 静かに眠っていたそうです B! LINEへ送る - Part 6, 洒落怖