ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 19 > 貸切列車 2016/04/05 726 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/09/29 12:36 関東地方の地方鉄道に乗って通勤していた人から聞いた話です。 その人はN市という始発駅から通勤しているのですが、営業区間が 短い私鉄で乗車時間は20分ほどもないのです。珍しく車内で座れたため、 そのままウトウト寝てしまいました。 目が覚めると、乗っている車両は同じであたりは見知らぬ田園風景の なかでした。その人はボンヤリしながら、 「知らないうちに支線ができて、間違って乗ってしまったのかなぁ・・」 と、余り深く考えないで乗り続けました。となりに座っていた老夫婦の 話しを何気なく聞いていると、 「・・・そういえば、おまえにもずいぶん苦労かけたよなあ」 「いえいえ、そんな気にしないで」となにやら、 会話をしています。目の前にたってる女子高生たちも、 「そういえば、もう少しいろいろな所いきたかったよねー」 「なんか残念よね」と、話しています。 しばらく走っていくと、旧字体の漢字が7~8文字くらいあるような 難しい名前(本人いわく覚えていないそうです)の駅に停まりました。 そこで3~4人降ります。田舎の無人駅で車掌が切符を受け取ると、 電車は再び発車。降りた客は田圃の一本道をずっと遠くまで歩いていきます。 「朝に仕事もしないで、どこに行くのだろう・・・?」 不思議におもいながら電車から眺めていました。同じようにしばらく走っていく と不思議な駅名の駅が現れ、そこで数人づつ降りていきます。 やがて、電車は日暮れになり、すっかり夕方になってきました。 (その人の記憶では、電車は明かりも付けずに夕日の中を 走っていたそうです)そのころには、隣の老夫婦もいなくなり、 目の前の女子高生もいなくなり、満員電車も2~3人しかいなくなりました。 まるで地方のローカル線のように暮れゆく田園の景色の中を走っていきます。 727 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/09/29 12:37 (夢うつつとはいえ、)その人もさすがに「会社にいかなくちゃ」と どこかでおもったのでしょう。車掌に聞きに行きました。 「あのーM駅には、いつ着くの?」 車掌はこう答えました、 「お客さん、切符みせてください」 (彼は定期券だったのですが)なぜか切符を探してしまいました、 しかしいくら切符を探してもみつかりません。すると、車掌が 激怒しました。 「お客さん!!切符無しに乗り込まれちゃこまるんだよ! この電車は貸切りなんだから!早く降りてくれよ!!降りろ!」 彼は車掌に襟首を捕まれ、車内をひきずられます。 車掌は走行中のドアをガラガラっとあけると、その人を車外に 放り出しました。彼は列車からほおり出されると、丁度そこは 川をまたぐ鉄橋で真っ暗の中を落下して行きました。 ・・・・・・・「おや?ここは」 それが第一声だったそうです。気が付いたときその人は、 ある市立病院の病棟で鼻や気管に何本も管を差し込まれた状態 で、時刻はもう夜の9時頃だったそうです。 その人が乗った列車は、駅の停車場に激突して多数の死傷者を 出した列車だったのです。彼は朝から意識不明で、危篤状態 からようやっと生還したのです。 いまから10年ほどまえ、関東近郊のある鉄道で実際にあった 事故からの生還者の貴重な話でした B! LINEへ送る - Part 19, 洒落怖 電車・駅