ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 41-50 > Part 50 > ある日の夕方 2016/05/10 512 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/08/27 22:42 ある日の夕方・・・。 砂浜を散歩していたんだ。 太陽が沈むのには間があって、周りの風景は全て茜色に染まっている。 恐いくらい鮮やかな色だった。 そんな中、ゆっくりした足どりで歩くのはいい気分だった。 俺はこんな素晴らしい夕景に満足していたんだけど・・・。 516 名前:512 投稿日:03/08/27 22:47 30分程歩くと、防波堤に出た。 海に向かってずっと延びている岸壁、その先端に灯台がある。 ふと、その少し手前に誰かが前かがみになっている人が目に入った。 白い服を着た子供のようだ。 どうも様子がおかしい。苦しいのか肩で大きく息をしているのがはっきりわかる。 小走りで子供に近づいていった。 とにかく具合が悪いのなら、手助けしないと・・・。 「おい!どうした!!具合悪いのか!?」 子供の肩の辺りを叩いた。 するとその子供が俺の方を向いたんだ。その瞬間・・・。 518 名前:512 投稿日:03/08/27 22:50 すーっと辺りが真っ暗になってしまったんだ。 今まで茜色に染まっていた風景が、薄墨色も群青色も飛び越えて真っ暗闇・・・。 岸壁に打ちつける波の音しか聴こえない。子供が何処にいるのかも見えない。 とにかく、尋常の暗さじゃなかった。いくら時間が経っても目が慣れないんだ。 恐ろしくなって、思わず地べたにしがみ付いていた。 しばらく、動けないでいると、やがて前方にチカチカと黄色い光が2つ見え始めた。 遠くの光じゃない。それどころかすぐ眼前で光っている。 「フー、フー、フー・・・」 息の音が聞こえる。ズルッ、ズルッ・・・と何かを引きずる音も・・・。 そして・・・。 532 名前:512 投稿日:03/08/27 23:11 すまん、オチた。 続き↓ 何かヌルっとしたものが俺の顔に触った。 その瞬間 「こいつの正体をみてやらなきゃあ」 なんて思ったんだ。恐ろしくて仕方が無いのに・・・。 はいつくばっていた両手をやっとの思いで地べたから引き剥がし 前の方、黄色い光の点滅する方へ突き出した。 「えっ!?」 俺はバランスを崩して、そのまま岸壁からまっさかさまに海に落ちそうになった。 何も無いんだ。光も音も聞こえているのに、手はその光のもとに触れない。 血液が全部下に下がったような、嫌な気分におそわれた。 もう、手探りで砂浜側に戻ろう。そう思って再び地べたに手を付いた。 542 名前:512 投稿日:03/08/27 23:26 「ねぇ、僕の顔見てくんないかな?」 耳元ではっきり聞こえた声。それは子供の声だった。 何故か薄っすらと明るくなっていて、前方に砂浜が見えた。 でも、視界のすみに人間の顔がある。白い服も見える。 俺は、すこし視線を右にずらした。 その顔を見た瞬間、物凄く後悔した。振り切って逃げるべきだったんだ。 その子供は・・・いや、子供だと思ったのは・・・ グズグズに腐乱して膨張した水死体だったんだ。 B! LINEへ送る - Part 50, 洒落怖