洒落怖超まとめ

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みちかさんPart2

   

963 名前: みちかさんpart2 6/6 04/02/07 13:32
僕には霊能者もどき?の親戚がいる。
通称「みちかさん」。
今現在北海道在住である。
他の親戚達は、当然ながら彼女の行動に
あまりいい顔をしていないし、
とりたてて彼女に相談をしたことも
無いようだった。
僕もそのひとり。
僕になにかの霊を感じ取っている彼女が好きではない。
しかし、彼女が本物であることはわかっていた。
僕には田中さん(仮名)という親戚がいるのだが、
その家を親戚一同で訪ねた後、
みちかさんはこうつぶやいた。

「あの家、空気がよどんでるね。」

964 名前: みちかさんpart2 5/6 04/02/07 13:33
僕と両親はその訪問のかなり後になって、
当時15歳だった田中さん家の娘が無断外泊したり、
その娘が彼氏を家に連れ込んだりして問題になっていること、
そのせいで夫婦仲が険悪になり、
さらに田中さんの母と奥さんも今まで以上に無いほど
仲が悪くなっていたことなどを知る。
しかも離婚話まで後に持ちあがった。
訪問した時は何の予感もなかったのだが。
彼女が事前に知っていたという事はあり得ない。
彼女は、僕の両親を除いて少し親戚から
避けられているので、親戚関係の話は
僕の両親から伝わるからである。
後で、田中さんの離婚騒ぎがわかった時、
両親が彼女にその事を話すと
「ふーん。」
と言っただけで、興味が無いようだった。

965 名前: みちかさんpart2 4/6 04/02/07 13:34
「あんたは私から何か言われるのがイヤなんでしょ?」
と彼女は言う。よくわかってらっしゃっる。
人生は其の基本において
自分で切り開くものと考える僕は、
たまに迷惑をかけてしまう両親や家族の忠告を除いて、
占いや霊視の類を信じないのである。

「時々心配になる。あんたは境界にいるからね。
いろんな意味で。ま、あんたのおばあちゃんに感謝しときな。」
境界?なんだそれ?いずれにせよ大きなお世話だった。
幸いにして、洒落にならないほどの霊体験は
今まで僕自身には起きてない。
洒落にならないほどの実体験なら結構あるが。
それでも、何故だかみちかさんには惹かれるものがあった。
それが何なのかはわからない。
好きではなく、興味の対象・・といったところだろうか。
ともかく親戚関係で北海道を訪れるたび、
みちかさんの話を僕は聞くようになっていく。

そんなみちかさんの話。

966 名前: みちかさんpart2 3/6 04/02/07 13:36
例のごとく知人に「ちょっとみてほしい。」
と頼まれた彼女は、A市まで車で知人と出向いた。
そこの団地のとある2階の部屋。
「なんかね、イヤだね。どよーんとした空気がさ。」

そこには一人暮らしのおばあちゃんが住んでいた。
なんでもそのおばあちゃんが変な夢を夜見るらしい。
毎晩誰かに焼かれそうになる夢だそうだ。
その誰かは夢ではわからないらしく、
実際恨まれる記憶も無いとのこと。

「昼間ではちょっとわからなかったのね。原因が。
こりゃ夜まで待たないとだめだってわかった。」
「やぶ霊能者とか言わないでよね。
実際私は後天的に霊能力がついたからさ。笑」
”後天的”
僕は彼女が東京で不動産屋の事務をやっていた時を
意味しているのかな、と思った。
おそらく事故物件がらみ、そんなところかもしれない。
もちろん、そんなことは聞かなかった。

967 名前: みちかさんpart2 2/6 04/02/07 13:38
で、実際夜になったんだけど・・。」
「やっぱりわからないのよ。特に霊が見えるわけでもない。
ただね、おばあちゃんが何か隠しているのには気付いた。
で、おばあちゃんにこう聞いたの。」

「おばあちゃん、昔火事起こしてない?」

「そしたら、おばあちゃんぼろぼろ泣き出しちゃって。
夜中1時なのに大声で。笑」
「近所の人が起きてきちゃって、
『あんたら何やってんだ!』って怒鳴られて。」
「で、とりあえず、中止。」
「また、諦めたんですか?」と僕は意地悪な質問をした。
「諦めたっていうか、日を改めようと思ったの。」
「で、その日は『もう遅いから明日にしましょう』ってね。」
それで帰ったらしい。
「そしたらね・・。次の日の昼に知人から電話があって、
おばあちゃん亡くなってた。」
「嘘!?」僕はめちゃくちゃ驚いた。
「その死に方がすごいの。明け方5時ごろぐらいかな?
『ドンドン!ドンドン!』ってドアを叩く音と、
『助けて!助けて!』って声がしたから、
近所の人が管理人さん叩き起こして、
鍵持ってきて開けてもらったらしいの。」
「そしたらね、
『ドアを叩く格好で燃えながら、
丁度扉を開けた管理人に倒れかかってきた』んだって。」
「管理人は『ギャ―!!』って言って
おばあちゃんをあわてて振り払ったの。
そしたら、倒れて近くにいた隣の家の人の両足首をつかんで
『あ・ん・たのせい・・よ・・』って言ったらしい。」
僕はブルッときた。

968 名前: みちかさんpart2 1/6 04/02/07 13:41
「隣の人は、つかまれたまま一瞬動けなくって、
両足にやけどを負ったの。
やけど自体はたいしたことなかったんだけどね。
両足首に手型がバッチリ残った。多分精神やられちゃったね。」
「その人は何か過去におばあちゃんに何かしたんですか?」
「してないでしょ。ただの偶然。その場にいただけでしょ。」
「じゃあ、なんで『あんたのせい・・よ・・』って言ったんですか?」
「おそらくね、多分過去にあのおばあちゃんが原因の火事で
誰か亡くなってるね。それでおばあちゃんずっとそれを後悔してて
自分で自分をずっと責めてたんじゃないかな。無意識の内に。
だから、あれは自殺だね。」
「だから、何でそれで『あんたのせい・・よ・・』って言うんですか?」
「それは夢の中で自分をそういう風に責めてたからでしょ。」
ああなるほど。そういうことだったのか。
「いつも霊が怨念かますとか思わないでね。自己暗示も多いんだから。」
と、みちかさんは僕に言うのだった。

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