洒落怖超まとめ

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稲垣

   

684その1 2008/07/15(火) 01:22:26 ID:lIIbSIey0

ここで、恐怖体験談2を投下

あれは、俺が大学に入って半年ほどった頃だったか
田舎から高校時代の友人が来るってんで、朝から部屋の掃除をしていた
俺の部屋はお世辞にも綺麗とはいえない、普段はここまで酷くはないが
昨夜、大学の友人と飲み明かした事もあり
部屋の汚さといったら、ほとんどゴミ屋敷状態だった
「まったく、ちょっとぐらい片付けて帰れよな~」
俺は、ブツクサ文句をいいながら、散らかった部屋の掃除をしていた
その時、拾い上げたゴミの下に一枚の写真を見つけた
「あれっ、これって」
それは、高校時代に友人と3人で撮った写真だった
そこに映っていたのは、俺と友人の稲垣、そして、当時俺たちが好きだった井上だった
しかし、なんでこんなとこに、この写真が・・・変だな
その時、「トルルルル・・・」俺の携帯が鳴った

686その2 2008/07/15(火) 01:27:04 ID:hL7W/6AR0

「もしもし」「あっ、オレオレ稲垣だけど、もうすぐ着くと思・・う・・・お・前・・・」
「プツ、プープープー」
稲垣からの電話だったが、電波状態が悪いせいか途中で切れてしまった
すぐかけ直してくるだろうと思い、俺はしばらく携帯が鳴るのを待ったが
いくら待っても携帯は鳴らなかった
「おかしいな~」、俺は、耐え切れず稲垣の携帯に電話した
「トルルルル・・・トルルルル・・・」稲垣は出ない
ま~いっか、もうすぐ来んだろう、そう思って携帯を切ろうとした時
「ピンポーン!」インターホンが鳴った


689その3 2008/07/15(火) 01:29:47 ID:hL7W/6AR0

俺がインターホンに出ると、「おお、オレオレ、稲垣だけど」
少し心配気味だった俺は、ほっとしていた
俺は玄関へ走り、ドアを開けようとしたその時、繋がっていた携帯から声がした
「あっ、オレオレ稲垣だけど、もうすぐ着くと思・・う・・・お・前・・・」
「プツ、プープープー」
「えっ・・・」今、ドアの前にいるはずの稲垣からの電話だった
しかも、さっきと同じじゃないか、ドアの向こうから電話したのか、それにしても何か変だ
俺は、ドア越しに稲垣に話しかけた「稲垣、今電話した?」
俺がそう聞くと…返事がない
「おい、稲垣?」
やはり返事がない
俺は、急に怖くなった、ドアの向こうにいるのは本当に稲垣なのか?

690その4 2008/07/15(火) 01:32:52 ID:hL7W/6AR0

今の電話はいったい何だったんだ?もし、こいつが稲垣じゃなかったら?俺の頭は混乱していた
その時、俺の携帯が再び鳴った、俺は震える手で携帯に出た「もしもし、岩本くん、あたし井上だけど、さっき電話あってさ、
稲垣くんが事故で病院に運ばれたって、病院の住所言うね・・・」
そのあとは、ほとんど聞いてなかった
なんで事故った稲垣がここにいるんだよ?
「うぅ~~~」あまりの恐怖に胃のあたりに鉛が落ちたような感覚がした
とにかく、落ち着くんだ、落ち着け~落ち着け~俺は自分にそう言い聞かせていた
692その5 2008/07/15(火) 01:35:04 ID:hL7W/6AR0

いつの間にか、ドアの前から気配は消えたていた…
「稲垣?」
名前を呼んで見たが、やはり返事は返ってこない
稲垣は行ったのか?
死の間際に、俺に会いに来たのか?
そう考えるより他にはなかった、幽霊なんてまったく信じていなかった俺にはショックだった
こんな馬鹿なことが実際に起こるなんて
とりあえず、稲垣は俺に会いたかったんだ…そう自分に言い聞かせることで
俺は、冷静を保つことが出来た。
そういえば、井上からの電話がほったらかしだ。
一度深く深呼吸をして、俺は携帯を手に取った

693ラスト 2008/07/15(火) 01:37:42 ID:hL7W/6AR0

「ゴメン、井上、ちょっと、トラブッタわ」
「もしもし?井上?」
返事がない…電話は繋がっているようだが、返事がない…
「おい、井上、聞こえてる?」


「あ~~~~~あ~~~~
あああああぐぐぁ~~~…聞こえ・・・てる」

何だよこれ?
俺は慌てて電話を投げ捨てた
その時、俺の背中に何かが触れた…
俺には、もはや振り返る勇気はなかった

その後のことは、覚えていない
気付いた時、俺は病院のベッドの上だった



しかし…あの日から



稲垣は…毎日俺の病室にやってくる

もうどうでもいい。

何もかも…

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